【東海道線】大船駅、藤沢駅の間に村岡新駅実現に向けた整備負担が年内合意?どうしても新駅をつくりたい!?

東海道線の村岡新駅の実現に向けて、神奈川県、藤沢市、鎌倉市が実現に向けて整備負担で年内に合意予定だという。

新駅には、160億円という費用が必要と試算されています。

そもそも、新駅の構想は季節風のように浮かんでは消えていくようなものだったのですが、鎌倉市の市役所移転で大きく動き出した印象を受けます。

どうしても新駅をつくりたいようですので、その辺りを自分なりに考えてみました。

皆さんなら、なぜ新駅を鎌倉市、藤沢市がつくりたいのか想像がつきますか?

JR東海道線の大船-藤沢間で検討が進む「村岡新駅」構想を巡り、焦点だった新駅整備費用の神奈川県と藤沢、鎌倉両市の負担割合について、年内にも合意する方向で最終調整していることが6日、分かった。複数の関係者によると、県が3割、残りの7割を藤沢、鎌倉両市で折半する見通し。3者合意を踏まえ、鉄道事業者が自治体と連携して具体化を図る「戦略的新駅」の適用を視野にJR東日本に要望する方針だ。

カナコロ(神奈川新聞のインターネットニュース)

以前、村岡新駅について費用負担の問題から、新駅の実現は難しいのではないかという記事を書きました。

大船駅と藤沢駅の間に新しい駅「村岡新駅」を作ろうという計画があったのご存知ですか? 2016年、東海道線の…
 
 
 
 
そもそも、出ては消え、出ては消えてきた大船駅と藤沢駅の間につくろうとしている新駅「村岡新駅」ですが、誰がその費用を負担するのかという根本的な問題で、神奈川県が3割負担という、意外な方法で合意へ向けて動き出しました。
 
 
 
どうしても、村岡新駅をつくりたいのでしょうね。
 
 
 
 
 
 
 

カナコロの元ネタはどこからの情報か

 
 
 
 
鎌倉市議の長島竜弘さんのブログに、カナコロの記事の元ネタと思われる内容(鎌倉市から市議会議員宛へ「深沢地域整備事業の取組について」という文章)があります。
 
 
 
概略は下記の通り。
 
 
 
・平成30年12月3日、鎌倉市から鎌倉市議会議員へ文章を配布
 
 
・深沢地区と藤沢市村岡地区のまちづくりは、一体施行による土地区画整理事業とし、鎌倉市、藤沢市がそれぞれ応分の費用負担をする。
 
 
・3県市(神奈川県、藤沢市、鎌倉市)は、新たな組織を立ち上げ、JR東日本に新駅を要望するとともに、整備費の負担を求める。
 
 
・神奈川県が新駅の設置の費用を一部負担し、残りの費用を鎌倉市と藤沢市で概ね5:5で負担する。
 
 
・3県市(神奈川県、藤沢市、鎌倉市)の合意は、スケジュールでは2018年度となっている。
 
 
 
鎌倉市、藤沢市ともに財政はかなり厳しいのですから、そう考えてみると、あれ?そもそもこの新駅に向けて合意のシナリオは誰が考えたのかと思うわけです。
 
 
 
もともと、財政難でとん挫した新駅構想を再びここまで持ってきたのですから。
 
 
 
鎌倉市は、大船駅前の再開発を工事費の高騰を理由に中断したわけですし、藤沢市は大型事業を抱えており、今後5年で584億の財政不足に陥る見通しとのこと。
 
 
 
 
 

藤沢市の財政見通しについて

 
 
藤沢市は大型事業を抱えており、今後5年で584億の財政不足に陥る見通しであることを発表したにもかかわらず、こうした新駅の負担を行うことについて懸念している方もいます。
 
 
 
下記のブログは、藤沢市の現状、今後の財政状況などをわかりやすく説明しています。
 
 

藤沢市は、村岡地区に新たなJRの駅を設置する構想について、神奈川県と鎌倉市との合意を得た上で、今年度中にJRへの設置要望を行なう考えを明らかにしました。

この構想は、新駅を設置すると共に、近隣である鎌倉市の深沢地区を一体的に整備しようというものです。事業費は、新駅だけで 150億円から160億円かかる見通しです。これまで新駅設置の費用負担をどのようにするかで時間がかかってきましたが、県が一部負担し、残りを藤沢市と鎌倉市で「おおむね半分ずつ」負担する方向となりました。また周辺整備については、村岡地区と深沢地区を結ぶ道路は藤沢市が、柏尾川をまたいで両地区を結ぶ橋は鎌倉市が、負担する方向です。

来年度中にJRによる新駅の概略が明らかになれば、それを受けて再来年度中に事業を行なうか最終判断したいとしています。これについて藤沢市は、村岡地区は、6つの拠点地区の一つであり、重要な事業だとした上で、JRや近くの企業にも負担を求めていく考えを示しました。

藤沢市は、大型事業を抱え込んでいます。今後計画されている主要な事業だけでも、▲藤沢駅の南北自由通路の拡張整備に310億円、▲市民会館の建て替えに120億円かかる見通しです。最近では、▲市役所本庁舎や、▲ふじさわ宿交流館が建てられたほか、▲労働会館の建て替えが進行中です。

藤沢市は今後5年間で、584億円の財源不足に陥いる見通しを発表したばかりです。藤沢をどういう街にしたいのか、ビジョンがはっきり描けていれば、何が必要で、何が不必要か判断できるはずです。いまの藤沢市は、いまだに右肩上がりの時代を引きずっているとしかいいようがありません。

藤沢市議会議員 清水竜太郎 オフィシャルサイト

 
 
赤字にしましたが、注目すべきは、「これについて藤沢市は、村岡地区は、6つの拠点地区の一つであり、重要な事業だとした上で、JRや近くの企業にも負担を求めていく考えを示しました」という内容のJRや近くの企業に負担という点です。
 
 
 
 
 
受益者負担という考え方があります。
 
 
これは例えば、自分で家を建てガス栓が通っていなかったので、自宅へガスを通す場合、ガス会社が工事について負担を求める(受益者負担)という考え方が強いです。
 
 
 
そうすると、駅の新設という事業について、よほどその企業が負担していてでも希望しているというように読むことができます。(負担を拒否するのであれば望んでいないととらえることができます)
 
 
 
 

新駅はなぜ財政難でもつくる必要があるのか?いや、作る前提で考えられてきたと思えば、腹落ちする

 
 
 
 
なぜ新駅はつくる必要があるのかという質問に対して、端的にいえばこういうことかと推測します。
 
 
 
 
・鎌倉市としては、駅がない不便なところに市役所を移転するので駅を開設してほしい。
 
 
 
 
・藤沢市としては、重要拠点としている。つまり、最先端の民間企業の研究所がある製薬会社の重要な拠点がある。また国鉄湘南貨物駅がかつてあった場所で、跡地を利用したい。
 
 
 
結果、お互いの利益が合致したのでしょうね。
 
 
 
市民はいくら負担するのかの記載は全くなし。
 
 
 
公共事業である駅の新設は、高いハードル(基準)があり、たった駅と駅との間が4分の中間に更に新しい駅をつくるとなると、それ相応の理由が必要となるということなのでしょう。(「公(おおやけ)」というみんなを意味する大義名分が特に必要でしょう。
 
 
 
 
今回の村岡新駅の合意のニュースは、公共の施設が移ることが新しい駅を作る理由としてはもっともらしく、ついでに駅の新設を希望している企業には一部負担を求めるということを市民に知らせて、新駅の新設を推進して行くのでしょう。
 
 
 
新駅の新設にあたって、市民の負担はいくら?鎌倉市民は?藤沢市民は?本当に新駅を望んでいるのか?市民が置き去りにされている感じがしていますね。
 
 
 
鎌倉市としては、市役所を移転して、新駅を開設して移転した土地を企業、サッカーチーム、野球の球団等を呼んで土地を貸すビジネスを考えているのかも知れません。
 
 
 
しかし、民間企業が行うビジネスを市役所がやり切れるわけはなく、鎌倉市が新駅に負担する金額が、どのタイミングで回収できるのか、投資した金額に対するリスクはあるのか等、公表してもらいたいと考えます。

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