鎌倉市がICT活用でソフトバンクと包括的協定締結へ。MaaSってどんなサービス?

3月6日、鎌倉市が、ⅠCT(情報通信技術)活用でソフトバンクと複数の分野で連携と協力する包括協定を締結しました。

協定では次世代モビリティサービスに向けた「MaaS」の推進、スマートシティの実現に向けた施策の検討、テレワーク・ライフスタイルの推進、ICTを活用した教育の振興、5G活用を見据えたモバイルのエリア整備推進などで協力するとのこと。

鎌倉市役所にプレリリースの内容がありましたので掲載します。

本協定の締結を契機に、ICT(情報通信技術)を利活用した官民連携による社会的課題の解決に向けた取り組みを幅広く検討していきます。

本協定による連携協力事項は次のとおりです。
1. 次世代モビリティーサービスに向けた「MaaS」の推進
2. スマートシティの実現に向けた施策の検討
3. テレワーク・ライフスタイルの推進
4. ICT を活用した教育の振興
5. 5G活用を見据えたモバイルのエリア整備推進
6. その他本協定の目的達成に必要な事項

MaaS(Mobility as a Service):ICTを活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティー(移動)を一つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ新たな移動の概念(引用元:国土交通省)。

鎌倉市ホームページ

上記の協定書の2から5は、なんとなく想像がつくのですが、協定の一番初めにある次世代モビリティサービスに向けた「MaaS」ってよくわからないので、どういうサービスかを調べてみました。

この記事は、次世代モビリティサービス「MaaS」ってどんなサービスかを知りたい方向けに記載します。

次世代モビリティサービスのMaaSとはどういうサービスか

総務省のホームページをみてみました。

日本初のサービスではなくて、そもそもモデルとなって実際に実施している国の事例がありました。

そもそもMaaSってなんのこと?という疑問がわいてきます。具体的に見て行きましょう。

電車やバス、飛行機など複数の交通手段を乗り継いで移動する際、それらを跨いだ移動ルートは検索可能となりましたが、予約や運賃の支払いは、各事業者に対して個別に行う必要があります。

このような仕組みを、手元のスマートフォン等から検索~予約~支払を一度に行えるように改めて、ユーザーの利便性を大幅に高めたり、また移動の効率化により都市部での交通渋滞や環境問題、地方での交通弱者対策などの問題の解決に役立てようとする考え方の上に立っているサービスがMaaSです。

MaaSの実現及び提供には、スマートフォンやデジタルインフラの整備・普及のほか、鉄道やバスの運行情報、タクシーの位置情報、道路の交通情報などの移動・交通に関する大規模なデータをオープン化し、整備・連携することが必要となります。

ユーザーの経路検索・改札通過等の移動履歴や支払い情報などのパーソナルデータの活用、ドライバー不足を補うための自動運転やコンパクト・モビリティ1、電気自動車(EV)などのクルマのイノベーション、効率的な移動手段を分析、提案、改善するためのAIの活用など、いま急激に発展しつつある各種の技術が交差するサービスといえます。

総務省 メールマガジン

交通渋滞、環境問題、地方の交通弱者の方への問題を解決するサービスとしてMaaSがあり、既に世界で初めて都市交通で実現した事例としてフィンランドのが紹介されてれています。

フィンランド「Whim」

 MaaSを世界で初めて都市交通において実現した事例として注目されているのは、フィンランド・ヘルシンキのベンチャー企業「MaaSグローバル」が提供するサービス「Whim(ウィム)」です。
Whimは2016年にヘルシンキの交通当局と行った実証実験のあと、正式にサービス開始されました。
利用者は各自の利用形態に応じて、毎月49ユーロ(約6,300円)、毎月499ユーロ(約64,000円)、あるいは1回ごとの決済の3つの料金プランを選択し、それによって得られるポイントで、Whimが提示するいくつかの交通経路から最適なものを選択し、予約、乗車、決済まで一括して利用することができます。
Whimが提示する交通手段には電車やバスなどの交通機関のほか、民間タクシーやバイクシェア、個人の徒歩や自転車などもあり、スマートフォン等のアプリ画面を提示するだけで、指定した交通手段を利用できます。
ヘルシンキのWhimユーザーの交通利用状況は、Whimサービス開始前では公共交通が48%、自家用車が40%、自転車が9%でしたが、2016年のサービス開始後は公共交通が74%と大きく伸びたほか、それまであまりなかったタクシーの利用が5%に増加した一方で、自家用車は20%に減少したとのことです。
このようなフィンランドの取組みを支援しているのは、産官学コンソーシアムであるITSフィンランドと、フィンランド運輸通信省です。
ITSフィンランドは主要大学、タクシー協会、民間企業など100以上の団体・組織が参画し、MaaSに不可欠なオープンデータとオープンAPIのプラットフォーム開発・整備を担っており、それまで個別に点在していた移動に関する情報検索、決済等のサービスの統合を進めています。
また2018年7月に施行予定の「輸送サービスに関する法律」(Act on Transport Services)では、それまでバス、タクシー、鉄道など種類別に存在していた輸送サービスに関する法律が一元化され、また民間タクシーの参入障壁が下がる一方、米Uberも解禁され、輸送サービスの規制緩和が進められるとのことです。

更に、下記の記事を読んで頂ければ、MaaSについてよくわかると思います。

2016年にフィンランド・ヘルシンキで試験的に運用を始め、2017年11月に本格的にサービスを開始したWhim。

現在までに累計約2500万ユーロ(約32億2000万円)の資金調達に成功しており、調達先には日本からもトヨタファイナンシャルサービスデンソーあいおいニッセイ同和損害保険が名を連ねる。2017年にはベルギー・アントワープで、2018年にはイギリス・バーミンガムでもサービスを開始した。

※世界初のMaaSアプリ、2019年に日本上陸か。スマホ一つで全ての移動手段を手配・決済

MaaSというサービスは、観光で来る方へ向けたサービスのような気がします。

※上記の記事にあります通り、既にフィンランドのMaaSのアプリがあり、2019年に日本へ上陸するのではないかと言われています。

今後、日本ではオリンピックも控えていますので、例えば海外から鎌倉観光へ来る方やオリンピックのセーリングの競技を見に来る外国人が、このサービスを利用して鎌倉市の渋滞が解消され、排気ガスの排出量も減れば、それはそれで良いことだと思います。

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